TdV2025初日クンツェさんの挨拶について

TdV2025初日クンツェさんの挨拶について

2025年5月10日ブリリアホールにてミュージカル・ダンス・オブ・ヴァンパイアが初日を迎え、私は幸運にもその客席にいることができました。

日本初演から20年目、前回公演から6年ぶりの公演の初日ということもあってか初日の客席にはこの作品の脚本・作詞を担当したミヒャエル・クンツェさんが客席にいらっしゃり、ご挨拶もしてくださいました。

そしてそのご挨拶の内容が個人的にかなり衝撃的なものでした。ひとまず直後(翌日)に書いたものがこちらです↓(バァンパイアという謎誤字がありお恥ずかしい)

正確にはこれはご挨拶の終盤部分で、まず上演にあたっての賛辞・感謝、この作品は成長の物語であるという旨(パンフのコメントにも書いてあるようなこと)を述べた後にこんな感じのことをおっしゃっいました。

あとから思えば「この作品に出てくるヴァンパイアは空想の存在だけど、今この世界にはヴァンパイアのようなものが存在しており、しかし私たちはヴァンパイアを認めてはいけません」みたいな表現だった気もする…公式さん初日カテコ動画お願いします…!

いや本当にクンツェさんのメッセージが衝撃的で…TdVってフィナーレからカテコで大盛り上がりして劇場が一体となって楽しむ、みたいな作品で、その盛り上がってるタイミングでこれを言われたのが突然ハンマーで頭をぶっ叩かれたみたいな衝撃を受けました…

わたしはTdVを前回公演の2019年に初見しまして、なんかイマイチよくわからんけど楽しいな!みたいな感覚で楽しんでいたのですが、クンツェさんのご挨拶でやっとどういう話なのか、どういう見方をするべき作品なのか腑に落ちたというか、よく考えると完全にそういう話なのにその場の空気に流されて楽しい!って思っちゃってて思考停止してたことにやっと気付いたといいますか…

そしてクンツェさんのご挨拶を知ったウィーンやドイツあたりのミュージカル事情に詳しい方が「ドイツで長く愛されてる作品ってやっぱり何か重要なものがあるね」みたいなことをおっしゃっててそれを見たことでまた、そういうこと!?!?って更なる気付きを得て衝撃を受け…そういうこと!?!!!?!?

なんか歴は浅いにしてもそれなりに拝見して多少色々思いを馳せたりした作品のつもりだったのに本当に衝撃で……初日の後にもまた鑑賞する機会があったのですが、そういう感覚を持って観るとものすごい怖い作品に感じられて今までと全然鑑賞感が違ってまた驚きました。

しかもよくよく考えるとそういう風に見れることに自分で気付いてもよかったと感じる程度にはちゃんと描かれているのにびっくりするくらい気付いてなかった事実が本当に怖くてですね…

なんというか「そんなの考えすぎ!なんも考えず楽しむのが正解だよ!」みたいな考えに対する風刺としても機能してるので逃げ場がない感じも本当に怖い。

みんなで踊ろうタイムとかもうどういう気持ちで参加すればいいかよくわかんなくなってしまった…でも参加しないのも悪いし…同調圧力に負けるってそれって…みたいな、参加するしないとかではなく、いろんなことを考えなければならない作品なんだな…と。

なんというか基本的には短絡的に楽しむのが正解の作品だと思っていたのでこんなにすごい作品だったんだな…と畏れを抱いています。

ところでわたしは初演から伯爵を演じてらっしゃる祐さまが好きでこの作品を拝見するに至ったのですが、パンフレットのコメントでなんというか作品にとって正解なことをおっしゃっててこれがまた衝撃的で、す、好き…って改めてなりました…うれしい…ありがとうございます…これからも末永いご健勝とご活躍をお祈りしております…

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